たまに頰がピクピクと痙攣する症状は、経験したことがある方が多いと思います。
「ちょっと疲れが出たのかな」と思ってしばらく休むと、元に戻ることがほとんどです。
しかし頻繁に起こるようになると、人目が気になり、外出や人と会うことを避けるようになってしまうことも。
そもそも頰の痙攣は、なぜ起こるのでしょうか?
考えられる原因や病気、またその対処法についてまとめました。
顔がピクピク痙攣する原因
顔の片側が、自分の意思とは関係なく、ピクピクと痙攣する症状を顔面痙攣(または片側顔面痙攣)と言います。
一般的に、まぶたなど目の周囲から始まってだんだんと口元へ広がっていきます。
初期は片方の目のまわりの軽いピクピクから始まるので、「顔面ミオキミア」と区別が難しいのですが、同じ側の頰にも痙攣が感じられるようになっている場合は、顔面痙攣が疑われます。
進行すると顔がキューとつっぱったり、片目が開けられなくなったり、深刻な症状に発展することもあります。
また痙攣が内耳に伝わると、ひどい耳鳴りの症状も伴います。
顔面痙攣の原因
主な原因は、内側に悪玉コレステロールが付着して血管を硬くし、弾力性を失わせて、顔の神経を圧迫していることです。
それにより、頰の痙攣を引き起こしてしまうのです。
悪玉コレステロールは、喫煙や睡眠不足、食生活や飲酒などの生活習慣によって増えるものです。
またストレスや、精神的な緊張がきっかけで発症するとも言われています。
顔面痙攣の症状が見られたら?
顔面痙攣は、直ちに命に関わる病気ではありません。
症状が軽く、日常生活に支障がないようであれば、そのまま様子を見ても基本的には問題ないと言われています。
睡眠不足やストレス、喫煙やアルコールの飲み過ぎなどに心当たりのある方は、改善し、日常生活でも動脈硬化の予防を心がけましょう。
とは言え、顔面痙攣は自然治癒が期待できる病気ではありません。
進行すると、人目が気になって外出できなくなりストレスが溜まって、悪循環になることがあります。
また自分の意思とは関係なく片目をつぶってしまうため、車の運転や機械を操作するような仕事ができなくなってしまうなどの弊害が考えられます。
症状が頻繁に現れたり、続くような場合は、早めに医師に相談し、治療を受けるようにしましょう。
治療法について
顔面痙攣の治療法としては、大きく以下の3つがあります。
1,薬物治療
抗痙攣剤や精神安定剤などを用いて、痙攣を緩和させる治療法です。
根本的な治療ではないため、再発することも多く、効果はあまり期待できません。
2,ボツリヌス療法
「ボツリヌス」という細菌の毒素を薬にしたものを、顔の筋肉に注射する治療法です。
およそ3~4ヶ月間効果が持続し、その後は経過観察しながら、再発するようであれば再度注射するというサイクルになります。
3,手術
上記の1、2で目立った効果が得られなかった場合や症状が重い場合には、手術を行います。
顔面神経を圧迫している箇所を確認し、血管を移動させて圧迫を解除するため、約8~9割の方に改善が見られるとの報告もあります。
外科手術のため、患者さんの負担は大きいですが、ほぼ根治的な治療が期待できます。
まとめ
頰の痙攣は、動脈硬化やストレスなどの精神的緊張が関係しており、疲れが溜まっている時に起こりやすいもの。
つまり、休養した方がいいという体からのメッセージとも言えますね。
規則正しい生活で睡眠をしっかり取り、バランスの良い食事、適度な運動、そして禁煙やお酒を控えるなど、できるところから改善していきましょう。
また万一、頻繁に発症するなど進行してしまっている場合には、各治療法のメリット、デメリットを見極め、医師とよく相談して早めに治療をすることをお勧めします。