バーベキューで、肉を焼きすぎてしまったとき、「焦げたから食べるのはやめておこう、ガンになるよね。」と言われたり、家庭で魚を焼きすぎて、「ちょっとこれはガンになるかも。」とついつい食べるのを控えたり、そんな経験ありますよね。
今回は、そもそも、焦げたものを食べるとガンになると言われるようになったのは、どうしてか。
その根拠を紹介しながら、ガンにならないための習慣も紹介していきたいと思います。
そもそも焦げたものを食べるとガンになると言われた根拠は?
「焦げたものを食べるとガンになる」と言われるようになったのは、肉や魚に含まれる動物性タンパク質が、焦げることによって、発ガン性の物質がつくり出されるのが判明したことがきっかけです。
動物性タンパク質(トリプトファンやチロシンなどのアミノ酸)が、焦げることによって、ヘテロサイクリックアミンという発ガン性の物質に変化すると言われています。
しかし、これは、体重60㎏の人が、毎日1t以上の焦げたものを摂取した場合だそうです。
少量の焦げでは、健康に影響はないということです。焦げた魚や肉を食べたぐらいでは、ガンにはならないということです。
また、動物性のタンパク質以外の、炭水化物や野菜、果物が焦げたものはどうなのだろう?と気になりますが、そこには発ガン性の物質は含まれていないそうですよ。
焦げと塩分の摂りすぎに要注意!
以前、国立がんセンターから提唱されていた「がんを予防する12か条」の中には、「黒焦げのものは食べない」という項目が含まれていたようです。
ただ、この項目も、黒焦げのものだけを食べてガンになるということではなく、塩分を一緒に摂取することで、発ガン性の物質が体に悪い影響を及ぼしてしまうということのようです。
塩分を摂りすぎると、食道や胃の粘膜が傷つけられてしまい、傷ついた部分に、焦げたものに含まれる発ガン性の物質が悪さをしてしまうのです。
つまり、焼き魚の焦げと一緒に塩分を摂取すると、ガンを発症するリスクが高まると言われています。
焼き魚を調理する場合、焦がしすぎないこと、塩をかけすぎないことを注意するといいですね。
ちなみに、大根おろしと添えると、そのリスクを抑えられると言われています。
ガンの予防に大切な習慣
私たちの身の周りには、適度な焦げを生かした美味しそうな料理や、炙り料理などがたくさんあります。
焦げを食べてもそれだけでガンになることはないので、神経質になりすぎる必要はありません。
魚や肉の動物性タンパク質が焦げると、そこに発ガン性の物質が含まれるのも事実です。
ただ、通常の食事の量であれば、焦げ自体がガンを発症してしまうということはありません。
ガンの発症を高めるものは、焦げたものを食べることよりも、ほかに原因があることが多いです。
ガンは、ひとつのことが原因で発症するよりも、いくつかの要因が重なって発症するものです。
生活習慣やバランスのとれた食事などを心がけ、広い視点でガン予防をとらえることが大切ですね。
【現在、化学的な根拠によってすすめられているガン予防とは】
・喫煙をしない
・飲酒を控える
・バランスのとれた食事
・野菜や果物をたくさん摂る
・塩分をひかえる
・適度な運動をする
・適正な体重管理をする
他にも、定期的に健診を受けたり、気になることがあれば早めに受診するなど、自分の体に関心をもって、ガンの予防を心がけたいものですね。
まとめ
「焦げたものを食べるとガンになる」と聞いたことがあると思いますが、動物性のタンパク質が焦げることで、発ガン性の物質に変化することは事実です。
しかし、通常の食事の量であれば、焦げたものを食べたとしても、それが原因でガンを発症するということはありません。
発ガン性の物質は、塩分を摂りすぎると、ガンのリスクが高まると言われています。塩分の摂りすぎには注意が必要です。
ガンは、さまざまな要因が重なって発症するため、焦げだけに気を付けるのではなく、食生活や適度な運動など、広い視野で、自分の体を見つめ、予防していくことが大切ですね。