5月と言えば、ゴールデンウイーク、端午の節句、母の日、学校では保護者会、PTAの集まりなどがある時期ですよね。
そんなときに、手紙を書く機会も多いのではないでしょうか?
メールやSNSなどはよくするけれど、「手紙となると、季語を使った文章なんて難しそう」とか「文頭、結びはどんな感じにすればいいか分からない」となりがちです。
でも、実は、ちょっとしたポイントを押さえれば手紙はそんなに難しいものではありません。
難しい、苦手という意識が少しでもなくなるように、上旬、中旬、下旬別の時候の挨拶文の例をご紹介します。
きっと「私でも書けそう!」となるはずですよ。
5月上旬は春の終わり、若葉の緑をなど表す
まず、最初に、簡単に手紙のルールを少しご紹介します。
○ビジネスレターは形式こだわるほうがよい
友人や近い身内なら、気軽な文章でも問題ありませんが、ビジネスレターでは形式にこだわるのがいいです。
文頭は時期に合った季語に「○○の候」や「○○のみぎり」などにし、続きを「皆様におかれましては変わらずご壮健のことと存じます」などにするときれいに始まります。
これは、年間通して同じです。
○結びには健康を気遣うなど、相手を思いやる文章で終わる
手紙の最後には「結び」と言われる表現をいれると、きれいに仕上がります。
内容は、相手の体調、思いやる文章または「またお会いしたいですね」などの表現が適しています。
何を結びにするか、悩んだときは季語を使って結ぶこともできます。
○5月は若葉や、端午の節句、ゴールデンウィークなどがいろいろ
5月上旬の目安は1日から10日ぐらいまでです。
また6日の二十四節季の「立夏」を過ぎれば暦の上では夏になります。
五月上旬の気候は、春が終わり、新緑が美しく、若葉の香りがする頃です。
行事なら、端午の節句、ゴールデンウィークなどがあるので、そういった行事を使うのもポイントになります。
(5月上旬の季語)
「惜春」「晩春」「新緑」「若葉」「立夏」「端午の節句」
(5月上旬の時候の挨拶文の文例)
・ そよ風が気持ちが良く、公園のつつじが満開で美しい季節になりました。
・ 新緑が香り、目にまぶしい季節ですね。皆さま、元気でお過ごしですか。
・ さわやかな風が心地よく、我が家のこいのぼりが元気に泳いでいます。
などがあります。
端午の節句のお祝いのお礼ならばこの後に、「先日は、○○(子供の名前)の初節句のお祝いをいただき、誠にありがとうございます。」と続けることができます。
(5月上旬の結びの例)
・ ずいぶん過ごしやすくなりましたが、季節の変わり目ですので、お体にお気を付けください。
・ 朝夕はまだ冷える日もありますので、どうぞご自愛ください。
季節を表現する場合には、その年の天候、相手の住む地域にも差がありますので、それを考えて書く必要があります。
5月中旬は木々の緑や日中の日差しの良さなどを表す
5月中旬になると、まだ色が薄かった緑がだんだん色濃くなってきたり、日中は少し汗ばむほどの日があったり、日差しが強くなりつつある頃です。
また、母の日があるので、日ごろの感謝を伝える手紙を書くのもよさそうですね。
5月中旬の目安は11日から20日ぐらいになります。
(5月中旬の季語)
「薫風」「新緑」「若葉」「青葉」「軽暑」「万緑」
(5月中旬の時候の挨拶文の文例)
・ 日中は汗ばむ陽気に風が心地よい季節になりました。
・ 木々に青葉が美しいこの頃、いかがお過ごしですか。
・ 店先にカーネーションが並び、五月の母の日が近いのだと感じます。
など、目にしたものをそのまま文章にするのも、身近な友人なら、素敵ですね。
(5月中旬の結びの例)
・ 汗ばむ陽気になりましたが、どうかご自愛ください。
・ 風薫る新緑の中、皆様のご多幸をお祈りいたします。
5月下旬は日差しの強さや緑が濃くなる様子を表す
5月の下旬になると、緑の色も濃くなり、春の気配は消え夏を感じる気候が増えていきます。
行事としては遠足や、運動会がある幼稚園、学校もありますね。
5月下旬の目安は二十四節気の一つ「小満」の21日から月末までになります。
ちなみに「小満」は植物をはじめ万物が満ち溢れ、生き生きとする様子を表す言葉です。
(5月下旬の季語)
「小満」「青葉」「深緑」「万緑」」「初夏」「軽暑」「向暑」
(5月中旬の時候の挨拶文の文例)
・ 木々の緑が色濃くなってきましたが、いかがお過ごしですか。
・ 日に日に日差しが強くなってまいりましたが、お元気でいらっしゃいますか。
・ 運動会の練習を頑張る子供の勢いと共に、気候も初夏へ向かっているように感じます。
など、勢いを感じる行事、気候の様子を表現すると、素敵な文章になりますよ。
(5月下旬の結びの例)
・ 軽暑の心地よい季節ですが、体調をこわされぬようご自愛ください。
・ 新緑の日々をどうかお健やかにお過ごしください。
結びは、夏へ向かう暑さを感じることができるような表現と、相手の体調などを気遣う分で結ぶときれいに終わることができます。
まとめ
時期を問わず、時候の挨拶文を書くときは、その時の気候、風景、植物、行事などを取り入れた表現をすれば、意外と簡単に書けるものです。
また、植物をよく知らないという方は、食べ物でも素敵だと思います。
ビジネスレターなら、形式を大切に書くことが重要ですが、友人などへの手紙なら、形式よりも、相手を思って書いてくれたのだと感じさせる文章が大切です。
お礼状なら、感謝や頂いて嬉しかった時の様子、気持ちを入れること、また、丁寧な字で書くことを忘れないようにしましょう。
きっとメールやSNSとは一味違ったものになるはずですよ。