田中です。
「えっ、CDプレーヤー? いまさらなに言ってるの。オワコンでしょ」
私も全くの同感でした。
コチラの記事の冒頭からの引用です。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1712/13/news010.html
>ほとんどの会社はそのような形で商売をされていると思うのですが、当社の場合は違う。市場調査を行わず、とりあえずつくってみる。最小限の数をつくって、まずは市場の反応を見る。できるだけ不要な在庫を抱えずにスタートして、売れるか売れないか、その結果を見て、次を考えるといった流れなんです。
市場調査(リサーチ)をしてから制作、販売するというのが通常ですが、この会社はとりあえず作ってみて市場の反応を見るというやり方。
しかも制作物がCD プレーヤーというのが驚きです。
普通に考えたらどう考えても需要がないオワコン商品ですからね。
記事を読んでみるとCD再生プレーヤーとしての CD プレーヤー自体を売っている。
売れた理由は、新たな「ウリ」を発見したり「価値」を創出したわけでなく、ターゲットをズラした、明確化したというところでしょうか。
CD プレーヤーといえば、外でも音楽を聴きたいというニーズに応えるために作られた物ですよね?
CDが全盛期の90年代。
自宅ではなくて、外出先で音楽を聴きたい人は、みんな持っていたと思います。
もちろん、私も持っていました。
ですが、今回のCDプレーヤーが主に売れている層は、記事を読むと「高齢者」と「若年層」らしいのです。
高齢者は新聞通販の CD を聞くために。若年層は英語のテキストなどについたCDを聞くために。
コチラの記事では、かつてはCDを聞くの PC でというのが多かったのが、ノート PC になってCDドライブがなくなったからと書かれています。
確かにその通りなのでしょうが、今の時代にCDプレーヤーが売れている大きな理由がもう一つあると私は思います。
特に若年層。
そもそも今の若年層は PC を持っておらず、スマホやタブレットのみの人たちも増えてきています。
当然ながら、スマホやタブレット単体ではCD を聞くことはできない。
だから若年層にも CD プレーヤーが必要になっているのだと思います。
意図したものではないでしょうが、ターゲットをズラしたことによって、売れる商品になった良い事例でしょうね。
まとめ。
商品自体はわりと誰でも知っているもの。
斬新な商品を開発したわけでもない。
誰もが欲しがる最新機能があるわけでもない。
でも、売れる。
なぜなら、そこに需要があるから。
アイデア次第で、まだまだ個人でも中小企業でも勝負できるってことですね。
記事内で、CD プレーヤーを製造・販売しているエスキュービズムの担当の方が答えているように「いいモノが売れるのではなく、売れるモノがいい」
コピーライターとして私も同意見ですね!