産後、育児で忙しく、なかなか休めず、疲れているときに
「のどのあたりが腫れてるみたい?」
「疲れもとれないし、ちょっと体調崩したのかな、まさか、甲状腺の異常?」
「いそがしいけど、病院行くのは面倒だなぁ。薬もちょっと・・・」
と悩む方がいるようです。
出産を終えて、すぐに24時間休めない赤ちゃんのお世話で、自分の体調に無関心になっていませんか?
もしかしたら、のどの腫れは甲状腺の異常かもしれません。
今回は、産後の甲状腺の腫れの原因や症状と、治療の仕方についてお伝えします。
甲状腺が産後、腫れたのはどうして?
甲状腺はのどのあたりにある腺で、甲状腺ホルモンを作り、分泌する働きがあります。
妊娠中から産後にかけておよそ2年間、ホルモン量の増減が激しいのですが、それに伴い甲状腺ホルモン量も増減します。
どのように変化するかというと、
① 妊娠中・・・ホルモンの量はたくさん分泌されます。
② 産後直後・・・胎盤がはがれると同時にホルモンバランスが崩れる
③ 産後1~3ヶ月・・・授乳のためホルモンが分泌
④ 産後3~8ヶ月・・・ホルモンの分泌が減っていく
このようにホルモン量が変化していきますので、病気ではなくても通常とは違う状態になっているのです。
もちろん、産後ゆっくりと回復する場合がほとんどですが、まれに異常なまま戻らないことがあります。
甲状腺異常は遺伝である、という説もあるのですが、はっきりとした原因はまだ分かっていません。
また、甲状腺は外から触ってもわかりません。
腫れていると見てわかるなら、甲状腺異常の可能性が非常に高いです。
産後は20人に1人の割合で、甲状腺に異常が現れる可能性があります。
甲状腺異常で見られる症状
甲状腺異常は血液検査でわかるので、自覚症状が出る前にわかるケースもあります。
しかし、産後は自分が甲状腺異常だと自覚しづらい状態です。
なぜかというと、産後の疲れや体調変化、育児疲れ、マタニティーブルーと、甲状腺異常の症状がとても似ているからです。
◯甲状腺異常の症状
・疲れやすさやだるさがある
・暑がりである/寒がり
・体重が増える/減る
・気力がない、イライラする
・食欲が旺盛である
・眠れない/眠たい
・髪の毛が抜ける
・便秘
育児でいそがしく、何か変だと思っていても病院に行かないですごしてしまい、発見が遅れる場合もあります。
甲状腺異常は何科でどんな治療をする?
甲状腺異常の治療をするのは、専門は内分泌系になりますが、産婦人科で検査してくれる場合もあります。
近くにない場合は、産婦人科に一度行ってみましょう。
治療はまず、メルカゾールなど薬を飲むことから始まるケースが多いです。
3~4ヶ月で症状は消えて行きますが、完全に治るまでは1~2年ぐらいかかります。
もちろん個人差はありますが、場合によっては薬を飲み続けなければならないこともあります。
産後の場合はゆっくりと回復を待ち、完治よりも気にならない程度までもっていくケースもあります。
◯母乳への影響はあるの?
また、母乳育児をしている人には薬の影響が気になりますよね。
甲状腺ホルモンはもともと人間の体の中にあるものなので、基本的には授乳中に飲んでも大丈夫です。
ちなみに、薬を飲まずそのままにしておくと、次の妊娠で流産の確率が上がってしまうこともあります。
まとめ
産後から育児へと、ほんとに寝る間がなくて大変ですし、イライラもすることでしょう。
育児疲れと症状が似ているのでわかりにくいかもしれませんが、何か変かもと思ったら面倒と思わず、病院で薬をもらって少しでも楽になってほしいです。
周りの人は、「辛いのはみんな同じだよ」と言うかもしれませんが、もしかしたら病気かもしれません。
そんな時は辛いのを我慢しないで、しっかり治療してくださいね。