
原著者:釘田泰子/改訂:WEBセールス実践協会/改訂日:2026年10月8日
WordPressの更新通知は確認が必要ですが、古いサイトでボタンをまとめて押すと、PHPやテーマの組み合わせによって表示や編集が止まることがあります。更新前に復旧できる状態を作り、別環境で順番を確かめてから本番に適用します。
まず現在の構成を1枚にまとめる
- WordPress、PHP、DBのバージョン。
- 有効な親テーマ・子テーマと独自修正の有無。
- プラグインの名前、バージョン、担当する機能、利用中かどうか。
- メール、フォーム、統計、バックアップ、予約処理など外部とつながる機能。
- 対象サーバーに同居している別サイトと、設定変更が及ぶ範囲。
更新版のないテーマは、入手を待ち続けるだけでは解決しません。既存コードを保管して互換性を調べるか、見た目と機能の要件を整理して別テーマへ移るかを決めます。削除されたPHP関数を置き換えただけで「対応済み」とせず、記事編集や画像まで確認します。
当サイトで確認した例
当サイトは、WordPress 4.9.26・PHP 5.6.40の状態を出発点として検証しました。2026年10月8日の切替後の記録では、WordPress 7.1.3・PHP 8.3.33・MariaDB 10.11.18で表示、ログイン、従来型の記事編集、画像を確認しています。テーマはOpinion 3.5を修正したものと独自子テーマです。
これは、このサイトで検証した構成の記録です。別サイトも同じバージョンへ同じ順番で上げればよい、という意味ではありません。各サイトで必要な中間バージョンや互換性は異なります。
更新を始める前にバックアップを戻せるか試す
DB、テーマ、プラグイン、画像に加え、WordPress本体とルート設定の保存範囲を確認します。旧世代を残したうえで新しい一式を作り、PCにも保存します。圧縮ファイルの読み取り検査に加え、独立した検証環境で復元テストを行います。
検証用DBを分離し、閲覧制限、メール捕捉、外部送信の停止を先に用意します。バックアップから復元した認証情報で、検証コピーが本番のDriveを整理したり、SNSへ投稿したりしないようにします。
段階更新の進め方
- 元の動作を記録する:トップ、記事、画像、管理画面、メニュー、フォームの基準を作ります。元からある不具合と、更新で生じた不具合を分けられるようにします。
- 互換性のある経路を決める:WordPress本体・PHP・テーマ・プラグインが同時に動く組み合わせを、公式要件と検証で確認します。必要に応じて中間段階を設け、古い本体をいきなり新しいPHPで起動しません。
- 使う機能を絞る:廃止した連携や未使用のプラグインは役割を確認して停止候補にします。決済・フォーム・保護機能まで一括停止するのではなく、検証で影響を把握します。
- 1段階ごとに保存と確認をする:変更した組み合わせ、結果、エラーログを記録し、次の段階へ進む前に戻せる状態を保存します。
- 本番と同じ条件で最終確認する:PHP・DB、テーマ・子テーマ、採用プラグイン、保護設定を合わせます。検証URLでは確かめられない統計連携やSSLの項目は切替直後の確認に分けます。
当サイトでは、ブロックエディターの空白問題は未解決で、従来型エディターを採用しています。従来型エディターでは、下書きの保存と再編集を確認しています。ブロックエディターの問題が解消したという意味ではありません。
本番切替の前後に行うこと
切替直前にバックアップを追加し、検証後に増えた最新記事・画像・設定を反映します。編集を止める時間、DNS・SSLの反映待ち、担当者が確認できる時間を分けて予定します。サーバーを移す場合、更新ボタンの処理時間だけが停止時間ではありません。
切替後は次を確認します。
- HTTPからHTTPSへの転送と証明書、www有無の統一。
- トップ・記事・カテゴリー・メニュー・画像。
- 本番管理画面へのログインと下書きの保存・再編集。
- 必要なフォーム・メールの動作。
- Jetpackなどの既存統計が別サイト扱いになっていないか。
- Google Driveへの新しいバックアップと既存保管分の保持。
- 予約処理とループバックの状態、継続するエラー。
戻す条件を作業前に決める
重大な表示エラー、DB接続エラー、編集不能が解消できない場合は、試行を続ける時間の上限を決めて切戻しを判断します。当サイトでは「30分の一次対応で主要な障害が解消しない」を判断条件の一つにしました。これは当サイトの作業基準であり、すべてのサイトに共通する時間ではありません。
戻す前に新環境で増えたデータを保管し、対応するファイル・DB・PHP・ドメイン設定・DNS・SSLを確認します。古いDBだけ戻して終わりにはしません。切替が安定するまで旧サーバーのデータと既存バックアップを削除しないことも、復旧手順の一部です。
日常の小さな更新と、長年更新していないサイトの移行では準備量が違います。作業時間は、バックアップ・検証・反映待ち・切戻しの確認を含めて見積もります。





















